バカ話が2回ほどつづいたので、今回は少し小難しく「すごいCGとは」という話などを展開してみます。
今回のお話は数学的な学習要項をある程度済ませている、ということを前提として、多少端折って解説していますので、小学生の方や中学生の方には難しいところもあるかもしれませんが、雰囲気だけでも伝わるといいなぁ。
さて、CGオブジェクトの集積体をゲームCGとしてより高く機能させ、顧客(プレイヤー)の満足度へとつなげるためには、どのような代替点が選択されるのでしょうか。
これを追いながら、「PS2のすごいCG」とは一体なんなのか、その扉の一端を垣間見てみましょう。
さて、図1と図2を見て下さい。
図1は真上から見たもの(平面)で2次元で表現されています。
図2は斜めから見たもの(立体)で3次元で表現されています。
この2つは全く同じグラフを別角度から見たものです。
さて、しばらくは「図1」で話を進めましょう。
ゲームCGというものは、該当ゲーム機の制約=PS2制約線のもと、
(A)数・・・メディア読み込み単位のオブジェクトの総量と
(B)細・・・個々のオブジェクトのポリゴン数・テクスチャバリエーションと色深度・モーション
などで決定されていると、仮定しましょう。
実際にはより複雑なパラメータによって成り立っているでしょうが、図解モデルとして分析する分には、この程度のパラメータでも十分でしょう。
さて、PS2のメモリとCPUの制約の下では、オブジェクトの「数」を増やせば、個々のオブジェクトの「細」は落とさざるを得ません。
そう考えたとき、上の(A)と(B)は互いに相反する要素であり、曲線G1のような「数」と「細」の代替曲線を形成することがわかります。
P3のポイントを見てみましょう。
緑のラインの比較からわかるように、P3のポイントは「数」は少ないですが「細」が非常に高い数値となっています。
これは例えば
(C)非常に狭い範囲のマップではあるものの、とても美しい背景と細かい人々、みごとなモーションなどディテールが描きこまれたCG」です
これをわれわれは一般的に「美しいCG」あるいは「すごいCG」と言いますね。
とういことは「すごいCG」の定義の1つはP3のような偏ったポイントであることがわかります。
さて、P3と同じ代替曲線G1にのるP1のポイントを見てみましょう。
P1のポイントは
(D)「適度なモデル数と適度なディテール」のCGだと言えます。
しかしまだまだPS2制約線と離れていますので、PS2の限界に対して「余裕」があると言うこともわかります。
そこで、G1の代替バランスのまま、PS2の能力の限界を引き出すポイントを模索していくと、G2のような曲線とPS2制約線の接点であるP2へと到達するはずです。
このP2のポイントは
(E)「適度なモデル数と適度なディテールのバランスを維持しつつ、PS2の性能を限界まで引き出したCG」ということがわかります。
では、図2へと移動しましょう。
ここでは、Z値として、それぞれのポイントにおける「効用水準」をとっています。
ここでの「効用水準」とはそのCGから作られるゲームCG世界としての「ユーザーの満足度」と考えればよいでしょう。
効用水準Zは、Z=F(X,Y)のような関係で表すことができます。これは普通の3次方程式ですから「面」の一種(曲面)です。
では、さきほどのP1、P2、P3のZ値を見てみましょう。
さきほどは「すごいCG」であったP3のZ値は一番低くなっています。
これは、「極めて美しい」クォリティーのCGで個々のオブジェクトを作っていくとゲーム空間としてのオブジェクト数を維持できないため、結果としてゲームCG世界としての「ユーザーの満足度」は低めとなるのです。
このようにして見てゆくと、Z値が一番高いのはP2であることがわかります。
このことから、
(E)P2はユーザーの満足度を最も高めた「絶妙なCG」あるいは「すごいCG」である
と言えます。
緑の長さによる「美しいCG:P3」と赤い長さによる「絶妙なCG:P2」。
おなじ「すごいCG」でも、この2種類の存在を知っていれば、FF12のCGのどこがすごいのか、きっとその発見が早くなるでしょう。
お・わ・り。